2010/07/02

タッチ&バイ&リード&感涙

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「悪貨」島田雅彦(2010)

(1)20歳ぐらいから島田雅彦を読み続け、褒め続け、知人に薦め続け、はまり続けてもう20年!

(2)新卒の就職活動の時の履歴書にも趣味は読書(島田雅彦)と書き、面接官にいかに島田雅彦の小説が素晴らしいのかを説明したこともありました。このブログでも新刊発売時には紹介を続けて参りました。

(3)ワタシほどに島田雅彦の小説を愛しているオトコは他にいるだろうか?(いやいるハズない!)と自負するほどのクレイジー・フォー・島田雅彦な、ワタシです。

(4)毎回島田雅彦の小説はもったいないから5日間ぐらい時間をかけて読むようにしています。あっという間に終わっちゃうのが哀しいのです。今回も月曜日から読み始め、金曜日に読み終わりました。

(5)前置きがかなり長くなりましたが、今回の小説ですが、「島田雅彦ってこんなにエンターテイメント性があったっけ?」なんて思っちゃいました。

(6)金融市場の崩壊というテーマにラブロマンス、裏切り、人生の教訓等などを織り込むという職人技!

(7)「茶の間」「彼岸」「郊外」というおなじみのキーワードや朝日新聞朝刊に連載した「徒然王子」のエピソードも入れ込むというピチカート・ファイブのような連続技!

(8)エンディングもこれぞ島田雅彦!な居心地の悪さでキュっと締まってます。映画化?ドラマ化もあるかも?なんて思います。

(9)現在「文學界」にて『傾国子女』なる連載小説も始まってますが、こちらはなんと「徒然王子」のエロ女性版のよう。こちらもどう展開するか楽しみです。

(10)最後にネットに落ちていた、以下著者のメッセージを引用します。

著者メッセージ:『悪貨』 島田雅彦さん
『悪貨』は、ニューヨークに滞在中の2009年1月から書き始めました。
 私は、リーマン・ショックから始まった金融恐慌を間近で見ながら、二十世紀の大恐慌のことを考えました。大恐慌は、一九三一年に景気の二番底を経験し、ハイパーインフレ、ブロック経済、そして全体主義の台頭、世界大戦へと二十世紀前半のカタストロフの引き金になった。
 恐慌は世界を根底から変える要因になる。それが自然発生的なものならば、天災であるが、意図的に引き起こされた事件であるならば、それは一種の戦争であり、革命です。
 また、ナチスドイツは大戦末期に大規模な金融テロを実行しました。イギリス・ポンドとアメリカ・ドルを大量に偽造しようとしていたのです。れは国家規模の経済戦争の最たる例だが、似たような国家的陰謀が現代においても、着々と進行しているのではないか? そして、今、世界は新たな貨幣システム、新たな通貨を必要としているのではないか?
 私は『悪貨』構想の最初の段階からそんな予感を漠然と抱いていました。それが、どのような小説となって結実したか、ぜひ確かめてみてください。(島田雅彦)(講談社『BOOK倶楽部メール』 2010年6月15日号)

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2008/02/19

島田雅彦祭り

Noveltitle 島田雅彦マニア(略してSMマニア)にとってはたまらない今日このごろ。それは①朝日新聞で毎日「徒然王子」という小説の連載を開始!②島田雅彦原案のドラマ「あしたの、喜多善男」が毎週放映!③たまらず原案の「自由死刑」を読み返すという島田雅彦祭りっぷり!①毎朝トイレで徒然王子を読み、②会社の生き帰りの電車で「自由死刑」を読み、③家に帰って週一で喜多善男を観る。こんなSMマニアにとって至福の時はあっただろうか?いやない!!すでに③を読み返し終えて、②の終わり方が非常に気になります。①も皇太子をモチーフに毎回皮肉とお笑いの要素があり楽しみでしょうがない。こんな祭りは2度とないな。

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2007/12/03

島田雅彦版「今宵、フィッツジェラルド劇場で」

51udgl7nzl_aa240_ ●佳人の奇遇/島田雅彦

(1)島田氏には珍しく群像劇の話。(2)サントリー・ホールで行われるオペラ・コンサート。このコンサートに集まる人々が、この夜を境に変わっていく。(3)まるでロバート・アルトマンの遺作「今宵、フィッツジェラルド劇場で」の島田雅彦版。もしくはカエルの雨を境にそれぞれの転換期を迎える「マグノリア」の島田雅彦版のよう。本作も映画になったらいいのに。(4)島田氏の著作「僕は模造人間」のエピソードが出てきたり、辻仁成と中山美穂のプロポーズをからかったり、リップサーヴィスが多いね。(5)最近の島田氏の作品の中では軽めの話で、こういう軽さも好きだな。(6)ミュージックマガジン風に批評すると「もてない貧乏オタク男と足の太いクラッシック愛好家女子向けのファンタジー」

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2007/08/27

バイ菌扱いされた日々

51brdfthy8l_ss500_ ●未確認尾行物体/島田雅彦

(1)「はやり目」にかかった。人に感染しやすいということで一週間会社を休む。(2)感染しやすいということで自宅でも6畳の部屋で一人隔離。病院行っても読んだ新聞を消毒される始末。(3)この感覚何かに似ているな、と思い返す。島田雅彦著「未確認尾行物体」。エイズに感染した変質者からストーカーされる話。今の状況はこの変質者の気持ちに近いかなと思い。10年ぶりに再読。(4)すっかりストーリーを忘れてたんだけど、島田雅彦の中でもかなり凝った物語で、かなりロマンティックな後味。(5)バイ菌扱いされた日々を忘れて、もっと重要な事が教わったような気になる。(6)大学生の時もわかったようなフリして感動したけど、ホントに良さが判るのは30代?40代の中年だね。(7)そういえば、あるインタビューで美人で有名な島田雅彦婦人はワタシが最高傑作だと思う「美しい魂」よりも本作をロマンテックだから好きと公言していたな。(8)次に本作を読むのはいつかなー。ガンの時かな。あっ!ガンは感染しないか。ということはエイズ?

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2007/06/26

カオスの娘

412bh4xtkb6l_aa240_ 音楽だったら、ジョナサン・リッチマン。映画だったら、ポール・トーマス・アンダーソン。小説だったら、島田雅彦。●新作が出るとマスト・リッスン。マスト・ウォッチ。マスト・リードなアーティスト。●共通点は何かあるかな?ふむ、判らない。●島田雅彦は20歳ぐらいからずっと新刊が出る度に読んでいます。●「彗星の住人」「美しい魂」「エトロフの恋」3部作が最高傑作だけど、その後の「退廃姉妹」、本作「カオスの娘」もやんちゃぶり衰えず、アナーキーさも失わずヤバ目です。●本作はシャーマンを目指す中学生と拉致監禁された女子高生と末期癌の大学教授の話。●小説の語りべ、主人公がくるくる変わる手法や、手紙をそのまま文章化するスタイル、「眠りが丘」など島田ワールド全快です。●例えるならピチカートファイブ的。●いつも思うんだけど、島田雅彦の小説は弱者に対して、こういう戦い方もあるよと指南しているよう。だから一年に一回とか、2年に一回とか新作を読むと、世の中と戦うということは人生を楽しむことなんだな、と思う。

↓こんな意味不明なPVを作っていた!というか小説のPVなんか初めて見た!というかこのPVは小説の魅力は全然伝えていない!

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2005/08/24

退廃姉妹/島田雅彦

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島田雅彦氏の新刊。ワタクシあまり公言しておりませんが、島田氏の小説はほぼすべて読破しております。まさしくタッチ&バイ&リード&感涙でございます。今回は著者としては珍しく女性が主人公、語り手はまた不思議にいろいろ変化していっておりますね。毎回ですが、感想トップリスト。(1)島田氏の著作にしては珍しくラストの高揚感があります。(2)おそらく男性諸君は皆そうでしょうが、理想像としては姉ですな。(3)当然ではありますが、生きることを語ることは死ぬことを語ることなんですね(4)戦争に関する本ってなかなか触手が伸びませんが、生きることについてがテーマなので、どんどん読み進められます。(5)この重いテーマを軽やかな文体で書き進められるのは島田氏の本領発揮といったところか。(6)祥子の秋田弁がサイコー。(7)いつも島田氏の小説を読むと忘れてはいけない何かを思い出させてくれるのですが、今回も読んで思いました。言葉にするのは難しいけど、それは心の中の軽やかさかな。

以下あらすじ(かなり大雑把ですが)

戦時下の東京。美しい女学生の姉妹・有希子と久美子は、亡き母の思い出に満ちた目黒の家をけなげに守っていた。有希子に思いを寄せる後藤少尉も出征していく。敗戦――男の戦いが終わり、女の戦いが始まった。自分の戦後を生きるため、久美子は処女を米兵に投げ出し、目黒の家は娼館に。有希子を訪ねあてた後藤は、米兵が出入りするさまに踵を返す。果たして有希子の恋は? そして久美子は……?過酷な運命に逆らい、恋を貫く乙女たちを描いた著者会心の大型ロマン。

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